岩倉市民吹奏楽団

Director's BOYAKing

4.My Music Life (その1) 「きっかけ」(2000.11.20)


中1の夏休みまでは、歌謡曲好きからGS(グループサウンズ、という30年以上昔に流行った、いわばエレキバンドですね)好きへという、まあごく普通の趣味の少年でした。まあ、聞く分には普通の子よりちょっと熱心だったかなと思うけれど、何が何でも自分でも演奏してみたいというほどの情熱はなかったような。。。

180度趣味が転換したのは、中1の夏休みでした。
音楽の夏休みの課題として、「クラッシック音楽を3曲聞いて、その感想文を音楽ノートに書くこと」というのが出されました。興味のない生徒にとっては、迷惑この上ないタイプの課題ですね。でも、義務教育、普通教育(一般教養的教育)の主眼は、眠った可能性を引き出すことにあるわけですから、私はそれにまんまと引っかかったことになります。

しょうがねえな、と思う反面、まあ、つきあってみれば何かいいことあるかも知れない、という程度の思いで、その宿題にかからざるをえなくなりました。
たまたま、母がその2、3年前に、ソノシートの4枚入った作曲家別名曲アルバム(伝記や曲解説の本)を5冊ばかり買っていました。本当は全巻そろえるつもりだったらしいけど、経済的事情と子どもの反応がよろしくないので、それだけしか買わなかったらしい。
ところで、ソノシートってわからないでしょ? CDが普及する以前は、レコード盤と言って、プラスチックみたいな円盤に溝が彫ってあって、そこに針を走らせると音が出る仕組みになっていました。ソノシートというのは、そのずっと安価なもので、クネクネペラペラの実に怪しげな安物レコード盤なのです。
でも、その中から、チャイコフスキーの「白鳥の湖」の盤を取り出して、とにかく聴き始めました。1番有名な情景の場面のオーボエソロではないですよ。最初に流れてきたのは、序奏でした。この、ほんの2、3分の序奏を聴いて、すべてが変わってしまいました。続けて、このバレエの有名な曲が次々と。。。。

この日から、私の音楽生活は一変してしまいました。
それから次々に、チャイコフスキー、ベートーヴェン、ショパン、モーツァルト、聴けるものはソノシート、ラジオ、テレビから次々に聴いて、古い西洋の音楽にのめり込み、夏休みの終わる頃には、正選手をめざしていたバスケット部からの転部を真剣に考えていました。。。
(すみません。続きます)