Director's BOYAKing
13.マーラーの「復活」 (2001.2.19)
コンサートに行きたしと思へども栄はあまりにも遠し、、、と、
日ごろから思っていて、昨日の日曜日もその思いを噛みしめながら、
それでも、バスに乗り、名鉄、地下鉄と乗り継いで、はるばると。。。
本当は一昨日の市吹の帰りに、あまりにも重た~~く疲れていたので、
「やっぱり明日は出かけずに家にいよう」と思っていたのでした
。
けれども昨日、朝起きてから昼まで迷いに迷って、結局は出かける決心。
・・・何か、若い人たちにはたぶん不可解なことを書いているみたいですが、
もうこの年になると、日曜日の外出はとても億劫になってしまうのです。
昨日は、小林研一郎指揮の名フィル演奏会で、曲目は、
マーラーの「復活」交響曲の1曲のみ。午後3時開演。
10カ月前にこの招待券が手に入ってから、ずっと心待ちにしていたのでした。
それにも関わらずぐずぐずとためらってしまったのは、
・とにかく仕事疲れ。
・所詮はただ券、所詮は名フィル(指揮がコバケンとはいえ)という意識。
・好きで入れ込んでいる曲ほど、がっかりもしやすい。
などなどの思いが入り混じっていたのでしょう。第一は疲れでしょうが。。。
けれども、演奏が始まって、びっくりして、引き込まれてしまいました。
名フィル関係者には叱られそうですが、ずっと前に2、3度聴いた時以来の
印象を払拭するように、途中までは、「これが名フィル??」
「これが名フィル??」と驚きの連続でした。
大事なところでのミスがいくつかあったけれど、
(でも、考えてみれば、大事じゃないところなんてないし。。)
まあ、それくらいは許す!! と思えてしまうほど、
じっくりとマーラーが発明したサウンドを楽しむことができました。
演奏会に行って何度も涙腺が緩むなんて、ふり返ってみても、
十数年前のオペラ「マイスタージンガー」以来かな。。。
と思いながら帰宅したら、妻と娘がLDで「マイスタージンガー」見てました。
でもさすがにその時は、一緒に見る気がしなかった。
「復活」の余韻の方が大事だったので。。。
こんなんだったら、名フィル演奏会にももう少し足を運ぼうと思うとともに、 それ以上に、マーラーの音楽の凄さをあらためて確信してしまいましたよ。
高2の時にこの曲のLPレコードを買って、何度目か聴いたときに、
音楽の世界のあまりの広大さに、「(マーラーは)怪物だ! 怪物だ!」と
日記帳に書き殴ったものでした。
天地を揺るがしながら心の奥深くに入り込んでくる、という感じだったのです。
それ以前に「巨人」「大地の歌」の2曲で、
「ベートーヴェンさえ遙かに凌ぐ作曲家」と慕い始めていましたが、
この「復活」に痺れたころから、マーラー狂は決定的となりました。